• 番組名：「マンガ飯　スゴ腕シェフが本気で再現」
• 放送局：中京テレビ
• 放送日時：2019年6月15日（土）24時55分～25時55分

澤田さんが書かれていたので、それにのっかって書かせていただく。僕は第一弾を見ていなくて、でも懇親会で話題になっていたので今回は何としても見なくてはと思い視聴。懇親会で話題になっていたのは「マンガ」というキーワードが海外で引っかかるという話。「日本のマンガ」というのは興味あるキーフレーズのよう。確かに！

第一弾の番組評価を聞いた印象より、今回の番組は中身的には良かった。きっと改良したのだろう。ドラマ部分も演出は過剰ではなく面白く見れた。甲本雅裕さん、詩織さんが趣旨を理解し面白く演技していた。僕が疑問に思うのは、この企画はマンガに出てきた奇想天外の料理が実際にできておいしいのかどうか、そこをスゴ腕シェフが挑戦してみるという点が骨格だと思うが、澤田さんも書かれていたように料理評価がドラマ仕立てでセリフに拠るものなので予定調和であることがシズル感（古い表現ですみません！）を生んでいない事。そこはおいしかったのか、マンガの趣旨を表現していたのか、信頼できる料理判定人に判断してもらわないと説得力がないのでは。そして、料理人がどのくらい考えて挑戦したものかはわからないが本気で考えていただきたいし、その様子をリアルに感じたかった。その部分では料理人にはかなり負担のかかる企画だろう。

「三丼フライ」も「超厚切りステーキバーガー」も名古屋の名だたる料理の名店で作ってもらっているので、味に対するこだわりを持って挑戦していただいたのだろうが残念ながらうまく伝わらなかったと思う。ドラマと料理の判定部分は別にしてもいいのでは。

そしてもう一つ。出てくるマンガがあまりにも古い。僕はマンガを多くは知らないが牛次郎さんは僕がマンガを読んでいた頃の人だし、宗田豪さんは2003年～2004年に書かれた作品のよう。もう少し最近のマンガからピックアップしたほうが良かったのでは。視聴ターゲットをどう考えているのかわからないが、海外を意識するならそういうことも必要かと思う。

でも、この番組の第2弾を制作したことはよいトライだと思う。第一弾よりおそらく改良されたと思うし、レストランでの調理風景などは淡々とした中に本物感が漂っていた。映像表現も確実に良くなっていたハズだ。最初からうまくいく番組はそうそうない。レギュラー番組も続けながらアタリを見つけていく。そのムダを編成は大事にしてほしい。そういう意味でこのトライは評価できる。

柴垣邦夫